胃アニサキスとは?
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種です。サバ、アジ、イワシ、サンマ、ホッケ、イカなどの魚介類に寄生しています。寄生している魚介類が死亡した後に筋肉に移動することがあるとされています。
魚介類を生で食べることにより、人の胃や腸に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
アニサキスの症状
食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、不快感、嘔吐の症状がでます。まれに、小腸に刺入して腸アニサキス症を起こすことがあります。
しかし、ほとんどは胃アニサキス症です。
アニサキスの原因
生の魚介類(サバ、アジ、イワシ、サンマ、ホッケ、イカなど)の摂取により感染します。
予防法としては、加熱処理や冷凍処理(マイナス20℃で24時間以上)で死滅するため感染性がなくなります。家庭ではマイナス20℃以上は難しく、加熱処理を行うことが一般的です。
アニサキスの診断
症状が出てから短時間であればアニサキスが胃内に留まっていることが多く、上部内視鏡検査(胃カメラ)で胃粘膜を直接観察することで分かります。
胃粘膜に線状のアニサキスが刺入し、周囲の胃粘膜が肥厚していることが観察されます。
アニサキスの治療
胃粘膜に付いているアニサキスを内視鏡で摘出します。内視鏡の先端から鉗子を出し、直接つかむことで摘出を行います。
アニサキスの予防
内臓に寄生する幼虫が、魚の死亡後に筋肉に移動するとされていますので、まるごと1尾の魚を購入する場合は、鮮度のいいものにして、できるだけ早く内臓を取り除いてください。また、内臓を生で食べないようにしてください。
目視でもある程度確認できるので、アニサキス幼虫を発見したらきれいに取り除きます。1匹でも筋肉に寄生していた場合、残り全てを発見するのは難しいため、アニサキスが発見された魚は生では食べず、しっかり加熱して食べることをお勧めします。
調理で使う程度の塩や酢などでアニサキスは死にませんが、しっかり加熱することで死滅します。
現在、魚類摂取後に生じる蕁麻疹の大部分はアニサキスアレルギーによるものと考えられています。
アニサキスのアレルギーがある場合には、十分に加熱・冷凍して死滅してもアレルギー症状が現れますのでご注意ください。