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ピロリ菌抗体が陽性のときの対処法

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  • 健康診断の検診でピロリ菌の検査を受けたら陽性だった

  • ABC検診でピロリ菌がいると言われた

 

 

今回ピロリ菌が陽性と言われた場合の対応について、解説させていただきます。

 

院長 中谷行宏

私、内視鏡専門医として、月200件以上の胃カメラ、大腸カメラ検査を行っています

消化器病専門医として、おなかの症状で困った方の診療を行っております。

 

ピロリ菌の抗体陽性とは

 

 

「ピロリ菌の抗体が陽性」と診断された場合、

それはピロリ菌に感染している可能性があるということです。

 

抗体とは、体が細菌やウイルスと戦うために作り出す物質で、

ピロリ菌に感染すると体内に抗体ができます。

この数値によって、ピロリ菌に感染しているか否かある程度わかります。

 

ただし、抗体はピロリ菌そのもの(抗原)ではないので、

抗体が陽性というだけで、すぐに除菌はできません。

 

 

ピロリ菌の抗体価について

 

 

血清ピロリ菌抗体価は、採血で判定できるため、簡便で、

健康診断のオプション等で行われているため、

血清ピロリ菌抗体陽性と診断されて、医療機関を受診される人が増えています。

 

また、自治体によっては胃がんリスク判定(ABC分類)にも採用され、

今後検査を受けられる方が増えてきます。

 


ただし、抗体価の判断が難しい場合があります。

抗体価によって

 

 

 

  • ピロリ菌抗体価 3U/ml未満  陰性:ピロリ菌感染の可能性は殆どない(未感染)

  • ピロリ菌抗体価 3.0~9.9U/ml 陰性高値:ピロリ菌感染の可能性あり 要精査

  • ピロリ菌抗体価 10U/ml以上  陽性:ピロリ菌感染の可能性高く 要精査

 

 

 

と分類することで、

ピロリ菌感染者(=胃がん発症リスクの高い人)をより

精度が高く発見できるとされています。

 

要精査とは、胃内視鏡検査を行った上で、ピロリ胃炎の所見があれば除菌治療を行います。

 

ピロリ菌感染がはっきりしない場合にはより精度が高い

尿素呼気試験等で、ピロリ菌感染の確実な診断を受ける必要があります。

 

抗体価が低い人でも現感染(現在ピロリ菌に感染している人)や

既感染(既に除菌している人や過去にピロリ菌に感染していたが、

自然除菌や胃粘膜が萎縮してピロリ菌が住めなくなった)の人が紛れている可能性があります。

 

ピロリ菌の陰性高値とは

 

ピロリ菌抗体価3.0~9.9U/mlが、陰性高値と分類されています。

陰性高値の方では、10-20%程度でピロリ菌の感染者がいると報告されております。

 

確率が低いので経過観察するのも選択肢ですが、

一度は胃カメラ検査や尿素呼気試験で精密検査を行って

ピロリ菌がいるかどうか検査をおすすめします。

 

ピロリ菌の検査が重要な理由

 

 

ピロリ菌は中学生までに感染をするので、大人になって新たに感染することは基本的にありません。

 

ピロリ菌に感染している状態を放置すると、

胃炎が進行し、胃の病気が進行するリスクが高まります。

特に胃潰瘍や十二指腸潰瘍を繰り返したり、胃がんのリスクが高くなるため、除菌治療が推奨されます。

 

除菌を行うことで、胃潰瘍これらの病気のリスクを減らすことができるため、重要な治療とされています。

 

ピロリ菌がいる場合には早期の除菌治療と、定期的な検査で胃がんのリスクを下げることができます。

一度早めにご自身がピロリ菌にかかっているかどうか検査をおすすめします。

 

まとめ

 

 

ピロリ菌が陽性であった場合、胃の健康を守るために

除菌治療を行うことが一般的です。

 

早期に対応することで、将来的なリスクを減らすことができるので、

検査で陽性と診断された場合は、医師と相談しながら適切な治療を進めましょう。

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