脂肪肝

脂肪肝とは、肝臓に脂肪がたまりフォアグラのようになった状態です。今や日本人の3人に1人が脂肪肝といわれています。エコーなどの画像診断では、20%以上の肝細胞に脂肪が沈着した場合に脂肪肝と診断できます。従来は軽い病気と考えられてきましたが、最近、脂肪肝が肝硬変や肝臓がんへと進行する可能性があり、様々な生活習慣病のリスクも高めることがわかってきました。

  1. 1 お酒を飲まない人の脂肪肝の方が危険
  2. 2 脂肪肝と肥満の関連と疫学
  3. 3 原因と症状
  4. 4 治療法

1 お酒を飲まない人の脂肪肝の方が危険

お酒の飲み過ぎが肝臓に悪く脂肪肝になりやすいことは一般的に知られています。しかし、実は日本人の脂肪肝の原因で多いのは、飲み過ぎではなく、食べ過ぎによるものです。これは非アルコール性脂肪性肝疾患nonalcoholic fatty liver disease(NAFLD)と呼ばれており、肥満や高血圧などが重複しやすく、生活習慣が関連した全身疾患です。
NAFLDには、症状が軽く改善しやすい単純性脂肪肝(NAFL)と非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の2種類があります。NASHは放置すると肝硬変、肝細胞がんへと進行することが知られています。また、NAFLもNASHに進行することがあります。

脂肪肝

2 脂肪肝と肥満の関連と疫学

我が国の肥満人口は男性1300万人、女性1000万人にのぼっており、BMI25以上の肥満者には高頻度に脂肪肝を伴います。健診において受診者の約30%は、超音波検査やCT検査で検出が可能な脂肪肝を伴っており、年々その頻度は増加しています。脂肪肝は中年男性に多いですが、女性でも中高年になると頻度が増加します。

脂肪肝

3 原因と症状

3-1 食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、肥満

脂肪肝とは、脂肪が肝臓に蓄積する病気です。食事で摂った糖質は肝臓で中性脂肪に変化します。脂質や糖質を摂り過ぎていてさらに運動不足の場合には、使いきれなかった脂肪が全身性の肥満となり、脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪として肝臓に蓄えられます。
お酒の飲み過ぎでも肝臓に中性脂肪がたまります。これは、アルコールが分解される時、中性脂肪が合成されやすくなるからです。また肥満になると、肝臓での脂肪酸の燃焼が悪くなるので、やはり肝臓に中性脂肪がたまりやすくなります。脂肪肝の人が全員、重症化するわけではありませんが、早期に発見して、原因となる生活習慣や肥満を改善し、経過観察をすることが重要です。

3-2 脂肪肝の症状

従来、脂肪肝は肝臓に中性脂肪が蓄積するだけで心配のない病気と考えられていましたが、NASHへの進行のほか、狭心症や心筋梗塞など心疾患の合併率が高く、生活習慣病の温床となることがわかってきました。脂肪肝でインスリンの効果が弱まり、糖尿病の原因になることもあります。症状がないことが多いため、太り気味の人は血液検査を受けたり、健康診断の結果を見直してしてみてください。エコーで脂肪肝や、肝機能を表すALT(GTP)が高めの方も注意が必要です。

4 治療法

NAFLDの治療はメタボリックシンドロームのコントロールと肝障害の進展予防が主になります。食事療法、運動療法などの生活習慣の改善により、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧を是正することが治療になります。食事療法、運動、禁酒を行い、肝臓にたまった中性脂肪を減らし、肝機能の回復を目指しましょう。

4-1 食事療法

脂肪は飽和脂肪酸の摂取を抑えます。糖類、果糖は控えめにし、穀類などから炭水化物を摂取しましょう。脂肪肝の治療のための食生活改善では、やはり脂質を控えめにした食事が望ましいですが、摂取カロリー制限でも同様の効果が得られます。

4-2 運動療法

運動療法によって、採血での肝機能障害、肝臓の脂肪化が改善することが多く報告されています。肝臓の脂肪化の改善には7%を超える体重減少が必要とされています。これは、体重70kgであれば約5kgのダイエットであり、実践することはなかなか難しいです。しかし、肥満を合併した脂肪肝の方が、30-60分、週3-4回の有酸素運動を4-12週継続すると、体重が減らなくても肝臓の脂肪化が改善することが示されています。レジスタンス運動いわゆる筋トレはエネルギー消費量が有酸素運動より低いですが、こちらも肝臓の脂肪化を改善すると報告されています。運動療法は他の生活習慣病の改善、予防にもなるため、たとえ体重が減らなくても積極的に実践していきましょう。

4-3 薬物療法

NASHへの薬物療法に関しては、ある程度効果がある薬剤が分かってきています。糖尿病で使用されるピオグリタゾン、SGLT2阻害薬、GLP1作動薬が肝機能、肝組織を改善させたと報告されています。高血圧の方にはACE阻害薬、ARBが肝機能改善に有効とされています。他の疾患に合併した方には、いくつか有効とされる薬剤がありますが、NAFLD/NASH 単独の方にはビタミンE製剤など効果があるとされる薬は限られており、生活習慣の改善が重要です。

まとめ

脂肪肝は、進行し肝硬変に至らなければ予後良好な疾患です。健康診断や人間ドックで肝機能障害や脂肪肝を指摘されても、症状が無いからと多くの方が放置をしているのが現状です。確かに脂肪肝でアルコールを飲まない方(非アルコール性脂肪性肝疾患:NAFLD)の多くの方は予後が良好な単純性脂肪肝です。しかし、そのうちの10-20%の方は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の方であり、肝硬変に至り肝臓がんを発症する可能性もあります。

ただの脂肪肝と思って放置し、肝硬変、肝臓がんが突然発見されることがないように、定期的な通院をおすすめしております。

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