高尿酸血症・痛風

1 高尿酸血症とは

高尿酸血症は、自覚症状を認めず、健康診断等、偶然指摘されることが多い疾患です。痛風関節症、腎障害などの尿酸塩が沈着することで発症する痛風の原因となります。尿酸は血液などの体液に溶けにくいですが、生体内では、7.0mg/dl以下までは溶解すると考えられています。このため、尿酸値の基準値は性別、年齢を問わず、血清尿酸値が7.0mg/dlを超えた状態とされています。

2 高尿酸血症のリスク

2-1 痛風

痛風とは、血液中の尿酸が関節内で固まって尿酸ナトリウム結晶が沈着し、炎症を起こした関節炎のことです。痛風発作がよく起こる部位は、第1中足趾節関節(足の親指の付け根)で、50-70%はこの第1中足趾節関節に生じます。典型的な発作は、夜間睡眠中に発生し、赤く腫れ、痛み、熱を持ちます。痛みは風が吹いても痛いと言われるほどの激しい痛みのことがあります。

2-2 腎機能障害

高尿酸血症は、慢性腎臓病の発症、進行に関連することが多数報告されています。例えば、尿酸値を下げるアロプリノールの投与によりeGFRが平均3.2ml/分/1.73m2改善したと報告されています。他にも多数の報告があり、キサンチン酸化還元酵素阻害薬は、腎障害進展抑制に有効と報告されています。

2-3 他の疾患

尿路結石、メタボリックシンドローム、高血圧、虚血性心疾患などとも関連が指摘されていますが、他の因子を含めると直接的な要因と断定はされていません。

3 生活指導

痛風、高尿酸血症は生活習慣病であり、生活指導の役割が大きい疾患です。原因としては、内因性のプリン体合成および分解の亢進と、外因性の高プリン食やアルコール、果糖が重要とされています。肥満とメタボリックシンドロームは高尿酸血症と密接な関連があり、食事療法、運動は、肥満防止によって痛風治療に有効です。

3-1 食事療法

BMIや体脂肪率の上昇によって血清尿酸値は高くなります。肥満の解消には適正なエネルギーの摂取が重要で、生活習慣病すべてにあてはまります。個々の適正なエネルギー量は身体活動量によって異なり、標準体重=(身長)2×22(kg)に対して軽い労作(デスクワークなどが多い職業)は25-30Kcal/kg、普通の労作(立ち仕事が多い職業)は30-35Kcal/kg、重い労作(力仕事が多い職業など)は35kcal/kgをかけます。食事には食材由来のプリン体が含まれており、細胞分裂が活発な組織に多く含有されています(表1)。肉や魚など高プリン体食材を多く摂取すると血清尿酸値は上昇し、痛風発作のリスクが高まるため、プリン体の1日の摂取量は400mg程度が推奨されています。表のような食材に多くのプリン体が含まれており、プリン体が多い食材を摂取しすぎないよう注意が必要です。ビールは低濃度ですが、摂取量が多ければ影響が大きい飲料です。

高尿酸血症(痛風)

3-2 飲酒制限

アルコール摂取量が多いほど痛風の発症リスクが高くなるので、適量を超えないことが大切です。アルコールに含まれるのはプリン体だけでなく、過剰摂取すると肝臓でATPを消費し、内因性プリン体分解を亢進することで血清尿酸値が上昇します。血清尿酸値への影響を最小限に保つ摂取量の目安は、1日に日本酒1合、ビールは350ml-500ml、ウイスキーは60ml、ワインは148mlまでは尿酸値を上げないとされています。

3-3 運動

運動は肥満を是正し、尿酸値を低下させることが期待されます。短時間の激しい運動では、ATP分解による尿酸産生増加と腎血流低下、乳酸産生増加による尿酸排泄低下によって尿酸値は上昇するとされています。ただ、有酸素運動では尿酸値の低下が期待でき、少なくとも1回10分以上の運動を、1日60分程度行うことが推奨されています。

4 高尿酸血症の薬物療法

4-1 薬物療法の適応

痛風発作時には、NSAIDs、コルヒチン、グルココルチコイドなど、炎症を抑える治療を開始し、改善したら中止します。一度、痛風発作を起こした方は、再発予防に尿酸降下薬の内服を開始します。

症状がない方に関しては、合併症、尿酸値により対応が異なります。生活習慣病や虚血性心疾患などの臓器障害の合併がある場合は8.0mg/dl以上から治療開始を考慮し、尿酸値は6.0mg/dl以下を目指します。血清尿酸値が持続的に9.0mg/dl以上の場合は、痛風を発症するリスクが高いため、尿酸降下薬を考慮します。7.1~8.9mg/dlの場合にはメタボリックシンドロームなどの他の合併症によって総合的に治療を検討します。

4-2 尿酸降下薬の種類

尿酸降下薬は、尿酸生成抑制薬、尿酸排泄促進薬、尿酸分解酵素薬に分かれます。

尿酸生成抑制薬:(アロプリノール:ザイロリックなど、フェブキソスタット:フェブリクなど)キサンチン酸化還元酵素を阻害することで、尿酸生成を抑制します。アロプリノールは腎機能が低下した方では、用量調整が必要ですが、フェブリクは腎機能が低下した方にも用量調整は不要です。

尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン:ユリノームなど):尿酸排出を促進することで、尿酸値を下げますが、尿路結石のリスクがあるため、十分な水分の摂取が必要です。

尿酸分解酵素薬(ラスブリカーゼ:ラスリテックなど):腫瘍細胞の崩壊による多量に放出される尿酸を分解する薬剤で、腫瘍崩壊症候群のときに使用します。

副作用が少ないため、尿酸生成抑制薬を使用することが多いです。

まとめ

高尿酸血症は痛風発作の原因となります。高尿酸血症自体が、心血管疾患との明確な関連は証明されていませんが、メタボリック症候群などの生活習慣が関連する病気の一つです。生活習慣の改善、場合によっては投薬治療が必要になります。

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