潰瘍性大腸炎

消化管の粘膜で炎症が起こる病気で、潰瘍性大腸炎、クローン病をまとめた総称が炎症性腸疾患(IBD)と呼ばれます。潰瘍性大腸炎は、主に粘膜を侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明の大腸のびまん性炎症性疾患です。炎症性腸疾患の患者数は増加傾向で、クローン病は約7万人、潰瘍性大腸炎はなんと約22万人の患者さんがいると考えられています。潰瘍性大腸炎の原因は不明で、主な症状は腹痛、頻回の下痢、血便などです。30歳以下の成人に発症することが多いですが、小児や50歳以上の年齢層にもみられます。潰瘍性大腸炎は、急性期の炎症を抑えるとともに再燃を予防するために長期の通院、治療が必要になります。潰瘍性大腸炎は難病ではありますが、多くの方が軽症の方で働きながら通院をされていらっしゃいます。

1 症状

血便、下痢が多く、腹痛があることがあります。特徴的な症状は、粘血便と呼ばれ、炎症によって体から分泌される粘り気のある粘液を含む血便がみられます。腹部の症状以外には、発熱、倦怠感や、関節炎や皮膚病変、眼病変も伴うことがあります。

2 内視鏡検査

潰瘍性大腸炎の診療では、下痢、血便などの自覚症状とともに血液検査、他の下痢、血便を起こす原因を検査する目的で内視鏡検査が必要になります。潰瘍性大腸炎は、直腸から連続してびらん、潰瘍、浮腫がみられ、血管透見の消失(大腸の毛細血管が見づらくなる)、びまん性の潰瘍、膿汁の付着を認めます。活動期はこのような所見がみられ、寛解期になると、潰瘍、びらんが改善します。この内視鏡検査で、炎症が完全に治まった状態を「粘膜治癒」と呼びます。

潰瘍性大腸炎

3 大腸がんのリスク

発症してから10年以上経過している患者さんには、大腸がんのリスクが高くなることが知られています。炎症が続くと、大腸がんができやすくなると考えられています。潰瘍性大腸炎の範囲が広い、あるいは炎症が持続していることが大腸がんのリスクと報告されております。大腸の炎症の評価とともに、がんを早期に見つけるためにも定期的な内視鏡検査が必要となります。

4 治療

潰瘍性大腸炎は、下痢、腹痛、血便など日常のQOLを低下させるだけでなく、重症になると大腸全摘術(大腸をすべて切除する手術)が必要となることがあります。治療の目標は、まずは下痢、血便などの症状の改善、「臨床的な寛解」です。さらに、大腸粘膜の炎症も治まった「粘膜治癒」を目標として治療に取り組むことが推奨されています。「粘膜治癒」に至ることで、再燃、発癌が抑えられると期待されています。

4-1 軽症の治療

5-ASA製剤

初期の段階では、5-ASA製剤(ペンタサ、アサコール、サラゾピリン)を使用することが多いです。5-ASA製剤の特徴は、

①内服量が増えると効果が増える
②量が増えても副作用は増えない
③大腸に直接くっついて潰瘍をなおす
④長く使用すると大腸癌の予防効果がある
とメリットが多い薬剤です。

5-ASA製剤だけで炎症が改善することも多く、中等症、重症の方も使用する治療の基本となる薬剤です。1日の最高服用量は、ペンタサ4000mg、アサコール3600mg、サラゾピリン3200mgです。2017年にはリアルダが発売されました。リアルダは最高用量が4800mgと最も多い量の投与が可能です。

ペンタサは朝・夕の2回、アサコールは朝・昼・夕の3回、サラゾピリンは2~3回1日に内服する必要があります。リアルダは朝1回の服用なので、飲み忘れが少ないお薬です。リアルダのデメリットは、錠剤がやや大きいので飲みにくいと感じる方がいらっしゃること、他の薬剤と比べると薬価が高くなることです。直腸のみに炎症が残る場合には、ペンタサやステロイドの座薬や注腸剤を併用する場合があります。

4-2 中等症以上の治療

5-ASA製剤で効果がなければ、次はステロイドの経口剤を使用することが多いです。ステロイドは効果が高いですが、長期に使用しても寛解を維持する効果はなく、副作用が増えるため、徐々に減量して中止しなければなりません。ステロイドが減量や中止できない場合には、血球除去・吸着療法や生物学的製剤(レミケード、ヒュミラ、ステラーラ、エンタイビオ)、免疫抑制剤(イムラン)などが必要となる方がいらっしゃいます。

薬剤の進歩もあり、中等症や重症の方と比べ、軽症の方が増加しております。近年、潰瘍性大腸炎の難病指定の審査が厳しくなり、軽症の方は認定されづらくなりました。このため、潰瘍性大腸炎の軽症の方の正確な数は分からなくなってしまいましたが、平成17年ごろで66.1%、現在はおそらく70-80%程度になっていると思われます。発症する年齢からも、働きながら通院されている方が多いと思われます(グラフ参照)

潰瘍性大腸炎※厚生労働省HPより改変し作成

5 当院の治療

当院は夕方の診療、土曜の診療も行っており、駅からも近く働きながら通院がしやすい環境です。総合病院で潰瘍性大腸炎の診療を行ってきた院長が、それぞれの方にあった適切な治療を行っております。当院では、鎮静剤を使用することで、潰瘍性大腸炎の定期的な評価に必要な内視鏡検査も苦痛なく、受けることが可能です。

潰瘍性大腸炎はときに急激に増悪することがある疾患です。潰瘍性大腸炎が増悪し、入院、生物学的製剤の導入などが必要になった場合には、炎症性腸疾患が専門の大きな病院をご紹介させていただく場合もございます。当院は、総合病院、大学病院とも密に連携しておりますので、気軽に受診してください。

登戸なかたに消化器・糖尿病内科
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